蒼の情景


EOS5D Mark3 /EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM / F7.1 / +2EV / ISO400 / RAW

白いものを白として写すための機能であるホワイトバランス。

デジタルカメラの機能と考えられがちですが、フィルム時代にもちゃんとそれを調整する手段が用意されていました。色温度変換フィルターやタングステン光源用フィルムなどです。前者は露出倍数がかかったり、後者はそもそもフィルムの種類にほとんど選択肢が無かったりと、今では考えられないほど使いにくいものでした。それがカメラの設定だけで自由自在に切り替えられ、RAWで撮影すれば撮影後にゆっくり調整が出来るというのは全く便利な時代になったものです。

EOS5D Mark3 /EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM / F11 / ±0.0EV / ISO400 / RAW

そんな時代から、昼光の下でタングステン光源用フィルムを使うテクニック(というか表現方法)がありました。白熱電球のオレンジ色を白にするためのフィルムなので、昼光下でこのフィルムを使うと写真が青くなります。写真が静かになるというか、青-ここでは「蒼」という表現になると思います-に染まる落ち着いた色調が好きで昔から積極的に試してきた手法ですが、ではどんな状況だとどんな色になるかは経験が必要で、デジタルの時代になってからも試行錯誤をしてきました(そもそもその色にする必要がないシチュエーションだったなどの失敗も含め)。

EOS5D Mark3 /EF70-200mm F2.8L IS II USM / F11 / -1EV / ISO200 / RAW

そして、失敗もありながらも撮影を重ねるうちに、だんだんと撮影時のイメージとできあがりが近づくようになってきた気がします。機材の性能と操作性がどんどん進化していき、日常を「記録」するにはなんの不自由も無い時代。作品を記録から表現にしたいと思ったとき、非日常な情景を日常から「見つける」感性が大事なのかなと思いました。時にファインダーから顔を上げ、イメージを膨らませる時間が必要なのかもしれません。

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