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Canon EOS 5D MarkIII / EF200mm F2.8L II USM / F4 / +2EV / ISO800 / RAW

知人から格安で譲って戴いたレンズです。当時70-200F2.8L IS(初期型)を使っていたため、それほど食指は伸びなかったレンズですが、実物を見たときそのコンパクトさにグッときてしまい手に取った1本です。

​現在僕が所有しているレンズの約1/3が「20世紀」のレンズです。このレンズも現行ではありますがそんなレンズに入り、このころの製品の例に漏れず逆光に弱い、近接能力に欠ける(このレンズは1.5mですが、ズームの70-200/2.8IIは1.2mと大分負けています)、フードがムダに大きく取り回しが悪い、など悪いところは「しっかりと」引き継いでいる感があります。そしてこのレンズが生まれた時代を考えるとそれを求めるのは酷かもしれませんが、手ぶれ補正が無いというのも少々痛い部分です。この200mm域はその長さと135mmに比べて1段分の暗さが響き、雑に撮るとさすがに歩留まりが悪化します。

​しかし、そんな欠点が多いレンズをあえて持ち出す機会があるというからにはそれなりの理由があるのも事実。それが何かというとまず挙げるのが「コンパクトさ」。というか、70-200が(初代も含め)「ちょっと持ち出す」には大きすぎるのです。「これを撮る」というような明確な目的が決まっていれば持ち出す苦労も気にならないのかもしれませんが、僕のスタイルはだいたいは「こんなの撮りたいなあ」程度のモチベーション。必然的にあれもこれも持ち出したくなるときに、カメラバックに200mmのズームを押し込めるスペースはだいたい残っていません。そんなとき、この200単の役に立つことといったらありません。正確にはそのとき予想される距離を鑑みて、135/2かこちらのレンズを手に取ることが多いです。200mmは使いやすい画角なので、「コンパクト」である意味もなおさら大きいです。

そして、描写にも最新の70-200にはない「持ち出す理由」があります。

​それは「柔らかさ」。今は最新の70-200/2.8IIをバリバリ使っていますが、ピントの合ったところのシャープさは遙かにズームが勝る一方、ボケの柔らかさは比べものにならないほどこの200単が「美しい」。というか、ズームは世代を重ねるほどがちゃがちゃするボケにちょっとした残念感を覚えるほどです。キレが欲しい時、ボケの柔らかさが欲しい時、撮影するときの意図によって使い分けるのがまたこのレンズを使うときの楽しさの一部になっている気がします。

135/2は全くリニューアルの必要性は感じませんが、このレンズに関してはその焦点距離を鑑みて、この味を残しつつ、ISの付与と、どうせだったらDOを利用したさらなるコンパクト化を望みます。標準ズーム程度の大きさになったら良いなあ​。

Canon EF200mm F2.8L II USM

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